『Fortnite(フォートナイト)』の中国展開に暗雲~テンセントまたもやゲーム認可おりず
中国政府、ゲーム認可作業第三弾を発表も、昨年排除されたテンセント『Fortnite(フォートナイト)』は排除
中国政府は4月に組織再編のためという理由で、ビデオゲームの新規認可作業を停止。
先月からようやくゲーム認可の作業が再開しましたが、再開後3回目の認可作業となる今回のリストでも、中国のビデオゲームパブリッシャー最大手テンセントのゲームは排除されました。
China approves third batch of video games; still no Tencent
二回目、一回目も明確な理由を示さないまま排除されており、中国政府の意向に注目が集まっています。
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テンセントは海外で大ヒット中の『Fortnite(フォートナイト)』を中国で展開できない
テンセントは現在、傘下EpicGamesによる『Fortnite(フォートナイト)』が世界的に大ヒットしていますが、この中国展開に暗雲が垂れ込めています。
昨年12月?認可が取り消されお蔵入りとなっており、政府の認可作業再開でも一向に認可リスト入りする雰囲気がありません。
また一昨年流行ったPUBGも認可作業が終わらぬまま旬を過ぎてしまっており、中国国内での展開に向けて投資した資金がパーになってしまっています。
DL2億超の大人気スマホアプリ『荒野行動』がPUBGに訴えられる。NetEase株はどうなる?
中国におけるPUBG展開が「限韓令」の影響を受けているらしい件
なぜテンセント傘下Epic Games(エピックゲームズ)の『Fortnite(フォートナイト)』は排除されたのか?
どうしてテンセント傘下のEpic Games(エピックゲームズ)の大人気ゲーム『Fortnite(フォートナイト)』は認可リストから排除されたのでしょうか。
この背景には、中国政府の推し進める社会主義革新価値観の影響があると言われています。
簡単にまとめると、暴力的、色情的なものはだめ。
愛国や文明、富強に即したものでないとだめ。
みたいな感じらしいですが、
『Fortnite(フォートナイト)』やPUBGは暴力的だから駄目らしいです。
ネットイースの荒野行動もダメ・・・
China’s ethics board reviews 20 popular online games, bans 9, requires changes to 11
『Fortnite(フォートナイト)』のネットワーク機能(ボイスチャット)の強さがダメ?
『Fortnite(フォートナイト)』は非常に自由度の高いゲームです。
マイクラのようにクラフトしながらPUBGのようにバトロワシューティングアクションもできるという、おいしいとこどりの自由度の高さが売りのゲームです。
さらにいうと、このゲームはボイスチャットによる通信ができます。
個人的には、これが一番の問題なんじゃないか?という気もします。
中国政府としては、ボイスチャットの内容を全部確認することはできませんから。
テキストチャットの文字情報であればやり取りを傍受して解析できますが、ボイスは難しい。
同様に、テンセントがモンスターハンターワールドの認可を受けられなかった理由も、この可能性があります。
テンセント配給の中国版モンスターハンターワールドが配信停止~WeGameの展開に黄信号か~
特定の相手とのみやりとりする微信などと異なり、不特定多数と接するゲームでボイスチャットが利用できることは中国政府にとって不都合な可能性があります。
テンセントは中国国内の『Fortnite(フォートナイト)』展開を諦めてアジアへ?
テンセントはそろそろ『Fortnite(フォートナイト)』の中国市場展開を諦めるように思います。
政府はこういった暴力的なゲームを認めようとしていませんし、ボイスチャットも認められないでしょう。
とりあえず、テンセントは中国のゲーム事業のリスクの高さを鑑み、中国におけるビジネスモデルを変更するとともに、世界での販売を進めていくように思います。
先日、テンセントは韓国ネクソンの親会社の買収を検討と伝えられました。
テンセントがネクソン親会社の買収を検討か?~Maple Story 2など展開加速?
また、インド市場にも乗り出しています。
テンセントにとってDream11への出資はインド事業の橋頭保となるか?
更にはインドネシアなど東南アジアはSEAグループとの資本関係を利用して商売するようです。
テンセントは、中国国内では企業向けサービスに事業転換、海外でゲーム事業という風に二兎を追う戦略に転じてきています。
これは、お当然ながらしばらくはコスト増大が先行しそうです。
以上。