総額2兆ドル~米国インフラ投資で上がる株?~
米国がインフラ投資を2兆ドル規模で積み増す方針とのことです
これはトランプ大統領と民主党の上下両院の有力議員との会談で方針が決定されたもの。
4月30日、トランプ大統領は民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務とホワイトハウスで会談。
このなかで2兆ドルものインフラ投資を行い、米国の競争力を高める方針で合意。
インフラ開発の対象としては、道路や橋などの他、ブロードバンド網や水道、送電網などについても行っていく方針とのこと。
ただし、具体的な財源などは決定していないため、今後も協議が必要とのことです。
老朽化する米国のインフラ~投資が喫緊の課題
とりあえず、この米国のインフラ投資、2兆円のうちのどれだけが政府予算で賄われるのかわかりませんが、かなり強い危機感の共有がなされているのはわかります。
米国のインフラは道路や橋、水道などであれば1960年代に多くが投資されており、その後あまり投資されていないので老朽化が進んでいます。
ブロードバンド網は恒常的に投資が足りていない状況で、送電網に関しては安全性が蔑ろにされているとも言われています。
PG&Eの山火事問題は、まさにそうしたインフラ投資の足りなさが招いた事態といわれています。
⇒カリフォルニア州のガス・電力会社PG&Eが破産法申請か?~山火事2年連続で
⇒【PCG】PG&E(パシフィック・ガス&エレクトリック・カンパニー)~山火事「キャンプ・ファイア」で倒産の危機か
あらゆる方面で大規模な投資が必要な状況であり、2兆ドルの投資というのも当然頷ける規模であります。
米国のインフラ投資で上がる株
質問箱で以下のような質問をいただきました。
https://twitter.com/chu_sotu/status/1123485382769872898
米国のインフラ投資で潤うとこは、日本ならどこでしょうか?
という質問です。
いつも質問箱のご利用ありがとうございます。
とりあえず、回答にも書きましたが、素材関連と建機関連がまず最初に恩恵をうけると思われます。
素材ならばセメント、塩ビあたりでしょうか。
たとえば、太平洋セメントはマーチン・マリエッタ・マテリアルズから設備を買収したりしています。
信越化学は子会社のシンテックが塩ビ事業を北米で展開しています。
コマツ、日立建機あたりも潤う可能性はありますが、関税の影響、キャタピラーの戦略次第な面もあります。
⇒【6305】日立建機の業績と株価~ハードなリセッションを織り込む動き?
また、高所作業車やクレーン車のタダノなども潤うと思われます。
⇒【6395】タダノの業績、決算と株価~クレーン車業界の大手
あとは、油圧関連に必須のヤマシンフィルタとか、特殊鋼線、ボルトなどの基礎素材、塗料などの会社でしょうか。
セメントは土木工事には大量に利用されますし、塩ビはパイプなどのほか、配線の被覆などにも使われます。
クレーン車も90年代の日本で多く売れたように、土木と密接な関係があります。
あとは北米事業の比率がどの程度か、他の事業で足を引っ張る可能性がないかどうかを確認しながら投資先を選んだらいいと思います。
以上です。