【統計】米ISM製造業景況指数2018年12月~リーマンショック時以来の大幅低下
米ISM製造業景況指数がリーマンショック時以来の大幅低下
米供給管理協会(ISM)が3日発表した2018年12月のISM製造業景況指数は、リーマンショック当時の2008年10月以来の大幅低下。
製造業総合景況指数は54.1と、前月の数値にくらべ5.2ポイントの下落。
米ISM製造業景況指数の5.2ポイント低下はリーマンショックと911テロ直後
なお、米ISM製造業景況指数のこの規模の下落は、リーマンショック当時や911テロ当時などに発生しており、どちらも景気後退に入った後。
その点、今回はまだ景気後退に入る前の下落であり、ちょっと毛色が違う部分はあるものの、警戒感が急激に高まる状況であることは変わりなく、FEDの次の一手に注目が集まります。
米ISM製造業景況指数の大幅低下で利上げは当面見送りか
まぁ、これだけ派手に落ち込みを示されたら、さすがに2019年利上げ2回との予定は棚上げかと思われます。
というわけで、10年債利回りは2.5%台に突入しています。
つい数か月前まで3%超だったのに、あっというまですね。
新債券王ことジェフリー・ガンドラック氏は2018年11月28日に日経新聞のインタビューにこたえ、
「2021年までに6%に達する」
と予言していましたが、本当にそんなことになるんでしょうか。
米ISM製造業景況指数の項目表
Index | Series Index Dec | Series Index Nov | Percentage Point Change | Direction | Rate of Change | Trend* (Months) |
---|---|---|---|---|---|---|
PMI® | 54.1 | 59.3 | -5.2 | Growing | Slower | 28 |
New Orders | 51.1 | 62.1 | -11.0 | Growing | Slower | 36 |
Production | 54.3 | 60.6 | -6.3 | Growing | Slower | 28 |
Employment | 56.2 | 58.4 | -2.2 | Growing | Slower | 27 |
Supplier Deliveries | 57.5 | 62.5 | -5.0 | Slowing | Slower | 27 |
Inventories | 51.2 | 52.9 | -1.7 | Growing | Slower | 12 |
Customers’ Inventories | 41.7 | 41.5 | +0.2 | Too Low | Slower | 27 |
Prices | 54.9 | 60.7 | -5.8 | Increasng | Slower | 34 |
Backlog of Orders | 50.0 | 56.4 | -6.4 | Unchanged | Slower | 1 |
New Export Orders | 52.8 | 52.2 | +0.6 | Growing | Faster | 34 |
Imports | 52.7 | 53.6 | -0.9 | Growing | Slower | 23 |
OVERALL ECONOMY | Growing | Slower | 116 | |||
Manufacturing Sector | Growing | Slower | 28 |
米ISM製造業景況指数の新規受注は62.1→51.1
これやばない?w
11.0ポイント低下とかほんとひさしぶりw
もういろいろおわってますね。
米ISM製造業景況指数 雇用も生産も価格も受注残も低下
12月の米ISM製造業景況指数でみると、雇用、生産、価格、新規受注、受注残など重要な部分が軒並み低下。
ただ、雇用は低下幅がやや小さい。
今後、この部分に波及するかどうかに注目。
もし波及するなら、インフレ圧力は急速に低下。
金融緩和姿勢への転換を求められる状況になる。
米ISM製造業景況指数の唯一の救いは顧客在庫の少なさ
どうしようもなく悪化している2018年12月の米ISM製造業景況指数ですが、唯一救いがあるとすれば顧客在庫の水準が極めて低い状態をキープしていることでしょう。
これはIT技術による持たざる経営の進歩によるところがおおきいかもしれません。
構造的に、シクリカルな景気後退が浅く済む可能性は高いようにもみえます。
年後半からは環境規制を理由とした設備投資需要の拡大、データセンター需要の回復、5G向け設備投資の活発化は間違いなくおきますから、そうした確実に見える需要が存在していることも、ある程度の下支えとなるように思われます。
米ISM製造業景況指数の市場への影響
とりあえず、市場はいまのところ(日本時間3時すぎ)以下のような反応を示しています。
この日はアップルショックも絡んでいますから、米ISM製造業景況指数の影響がどれだけ出ているかはわかりませんが、指数の動きは思ったほどではないな、というのが正直な話です。
とりあえず、以上のようになります。
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以上。