レオパレス21問題が大東建託、東建コーポなどにも波及か～国交省「同業他社のアパートも調査へ」

レオパレス21問題を受け、国交省が大東建託や東建コーポなど同業のアパートも調査へ

レオパレス21による建築基準法違反アパートの不正施工問題を受け、国土交通省は同様にアパート建売・受託などをしている業者の調査に乗り出すとのことです。

この報道を受け、賃貸アパート最大手の大東建託に売りが波及。

同業の東建コーポレーションなどにも影響が出ています。

東建コーポレーション　日足

大東建託　日足

もし同業でもレオパレス21と同じようなことが起きていたなら、非常に大変なことになると思います。

とりあえず、レオパレス21に対しては全棟検査および不正施工アパートからの退去を要求しているのですから、他の社で行われた不正施工アパートに対しても、退去を要求しなければおかしいはずです。

まずこの時点で引っ越し難民が膨大な人数に上る可能性があります。

ここ数年、地銀は融資先がろくに見つからず、不動産融資ばかりを積極的に積み上げてきました。

レオパレス21でアパートを建てたオーナーへの融資は、総額2兆円を超えるそうです。

レオパレス21だけでもこの数字です。

大東建託や東建コーポやその他まで含めたらいったい幾らになるのか見当もつきません。

(もちろん、それらの企業で不祥事が発覚すると言っているのではありません。もし発覚したら、という仮定です。)

これら融資が焦げ付いたりしたら、地銀経営における大変な不安定要因になりかねません。

どうするんでしょうか。

最後は政治的に決着？

思うに、今回のレオパレス21は、ヒューザー事件と非常に似通ったものを感じます。

2005年、ヒューザーが販売予定としていたマンション「グランドステージ藤沢」の構造計算書に偽装があったことが発覚。

それをしりつつヒューザーは同マンション17戸を購入予定者に引き渡したという詐欺事件。

その後、構造計算書の問題を洗い出すうちに、アパホテルや他の会社の施工したマンション・ホテルの構造計算でも同様の問題が発覚しました。

さらには杭打ち偽装やシャブコンの利用が他マンションで発覚したりなど、続々と問題が発覚。

あまりにも次々出てくるので、最終的には国土交通相が「耐震性は保たれている」と問題が発覚したさまざまなマンションにお墨付きを与えたことで、マンションへの信頼感が一気に失われた時期がありました。(あとは民事で争ってくれ、という態度)

どうもあの当時と似たものがあるんじゃないか、と思います。

今回、レオパレス21も「耐火性能には問題がない」というお墨付きを得るために、再度耐火性能検査を申請するそうです。

国土交通省としても、ことを大きくしないためにはそれしかない、という判断に傾く可能性があります。

もしそうなれば、レオパレス21にも生きる道はできます。

逆にそうならなければ、レオパレスだけでなく他社も、地銀やオーナーも巻き込んでの大変な状態が続くことになるかもしれません。

なお、これまでのレオパレス21関連記事はこちら

以上です。