レオパレス21問題に幕引きを図る国交省~他社への波及を恐れて手抜き調査へ
レオパレス21における建築基準法違反問題を受け、国交省が同業大手十数社を実態調査するとのことです。
しかしこの調査、単なる聞き取り調査でおわりにするようです。
賃貸アパート大手十数社を実態調査へ レオパレス問題受け 国交省
一応、「必要に応じて現地調査もする」としていますが、どうせ今までの経緯からみて、現地調査なんてほとんどしないでしょう。
国交省は今回のレオパレス21の問題が、業界内で広く行われていたことを認識している可能性が高いと思われます。
この問題が同業他社にも広がっていけば、間違いなく行き場を失う住民が出てきます。
サブリース会社が破綻すれば、ローンを大量に抱えたアパートオーナーは返済に窮することになります。
さらには地銀の経営への波及なども起きていくでしょうから、はっきりいって、非常にヤバいことになるのが目に見えていました。
今回、国交省はこうした事態に陥らないよう、
「みてみぬふり」
を決め込むことに決めたようです。
これで、今後もアパート大家は建築基準法違反のアパートを入居者に貸し続けることができますし、
地銀は融資が焦げ付きませんし、
サブリース会社も倒産しないですみますし、
住民たちは行き場を失わなくてすみます。
この国でいま起きていることの背景には、こうやってすべての問題を
「見ざる、聞かざる、言わざる」
してきた結果があると思います。
いつか大地震で湾岸埋め立て地が液状化するとわかっているのに、そのリスクを見て見ぬふりをしてガンガン開発しています。
原発とその廃棄物処分施設が地形的に日本に適していないことをわかっていながら、延々と原発を回し続けようとしています。
自動車産業は、きたる未来に大量の人員削減が必要になりそうだとわかっていながら、いま行うべきオペを先延ばしにしています。
社会保障費の増大が財政を極端に圧迫していくのがわかっていながら、改革は先延ばしにされています。
他にもいっぱいありすぎて書ききることはできませんが、とりあえず、今回のレオパレス21の問題も同じ構図のようです。
いつかより大きな問題に発展するでしょうが、その時にはまたいつもの
「想定外だった」「知らなかった」
という言葉が使われることでしょう。
この国には、善管注意義務違反という言葉は存在しないようです。
以上。
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以上です。